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2001.9
インマルサットでのデータ通信手段の得失
インマルサットでデータ通信を行おうとするとき一番問題となることは,通信料金の高さであると思います。以下に,インマルサットのどのシステムが,料金的にデータ通信に適しているかどうか検討してみます。

1分間あたりの通信料金は,KDDI使用で日本籍船舶から日本宛の場合(以下同じ)次のようになっています。

設 備料金判定
A(通常時間帯)680円 
A(閑散時間帯)500円 
B(通常時間帯)370円
B(閑散時間帯)250円
B−HSD980円 
M(通常時間帯)520円 
M(閑散時間帯)400円 
ミニM300円

すなわち,1分間あたりの通信料金だけから判断するとミニMとBが有望と言うことになります。

では次に,それぞれのシステムで1分間あたりどのくらいのデータ量を転送できるのかを考えてみましょう。転送レートのbpsという単位は,1秒間あたりに何ビットのデータを転送できるかを示すものであり,数値が大きいほど速く転送できることになります。1分間情報量は,転送レートに60秒を乗算した値になりますが,バイト(1バイトは8ビット)単位で表しています。ファイルサイズをあらわすときに使用する単位です。なお,通常時間帯と閑散時間帯とでは,これに関しては差がありません。

設 備転送レート1分間情報量判定
4800bps36KB 
9600bps72KB
B−HSD64000bps480KB
2400bps18KB 
ミニM2400bps18KB 

このように,単位時間あたりの転送料だけの比較では,ダントツにB−HSDが有利。これにはるか遅れて,Bが追随する形です。

でも,B−HSDは先に示したように,通信料金が高いという欠点もあります。従って,単位通信料金当たりに転送できる情報量を考えて判断することが必要です。それでは,10円で転送できる情報量を計算してみましょう。ここで初めて,256ビット26円で情報転送ができるインマルサットCが登場します。なお,1分間情報量は,先ほどのKB(キロバイト)からbyte(バイト)に直してあります。内容は上記と同じです。

設 備料金(1分間)情報量(1分間)10円情報量判定
A(通常時間帯)680円36000byte523byte 
A(閑散時間帯)500円36000byte720byte 
B(通常時間帯)370円72000byte1945byte
B(閑散時間帯)250円72000byte2880byte
B−HSD980円480000byte4897byte
  12byte 
M(通常時間帯)520円18000byte346byte 
M(閑散時間帯)400円18000byte450byte 
ミニM300円18000byte600byte 

表から見る限り,HSDを含めたインマルサットBが,極めて通信効率が良いことがわかります。

さて,上記は純然たるデータ転送部分のみを見てきましたが,通信にかかる時間(通信費)はこれだけではありません。ダイヤルアップでインターネットに接続されたことのある方はおわかりでしょうが,モデムネゴ(通話開始時の「ピーヒョロ・ピーヒョロ」です)のための時間も通信料金にカウントされます。この時間(料金)がいかほどであるかを考えてみましょう。但し,下表は概算値であって,正確には実測値で評価する必要があるでしょう。通信料金の評価としてではなく,参考用としてのみご利用下さい。なお,秒数には「切断」に要する時間も考慮されています。

設 備秒数(概算)料金(概算)判定
A(通常時間帯)30秒340円 
A(閑散時間帯)30秒250円 
B(通常時間帯)20秒123円 
B(閑散時間帯)20秒84円
B−HSD8秒131円 
なし0円
M(通常時間帯)30秒261円 
M(閑散時間帯)30秒201円 
ミニM30秒150円 

この結果は,もともとデータ転送用であるインマルサットCに軍配が上がり,これにBの閑散時間帯が続くことになります。以上ご参考でした。

この他にかかる費用はいくらなのかもチェックしておく必要があります。費用は主に通信手数料でしょうが,30円の手数料は通信費に比べたら無視できるほどでしょう。また,インマルサットCの場合,32バイト(英文32文字)なら26円(1ユニット)ですが,文書毎に送信元と送信先とを記したヘッダー3ユニット(78円)が付加されることにご注意下さい。

総合評価としては,次のようになるでしょう。
◆大量(30KB以上)の情報を一度に転送するのならB−HDS
◆数十バイトのごく短い電文ならインマルサットC
◆その他通常の使用にはインマルサットB

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