     | 第2回 船橋機器の承認等について |  |
   | 前回から,「2002年7月1日に発効する改正SOLAS第・章(以後 改正SOLAS という)」の中の「航海機器等の搭載要件」について順次解説しています。この情報は,マリンフォネットがこれまで収集したものにより構成されていますが,各国内での適用に関しては,別途関係各国の情報を参照されるようお願いいたします。今回は,搭載する機器に関しての「主官庁」,「機器製造者」,「機器設置者」,「機器使用者」等に課せられた要求事項についてお話しします。第16〜18規則辺りの解説です。
●主官庁に課せられた要求事項 各国主官庁は, 船橋及びその周辺に搭載される機器 が機関(IMO,IEC,ISO等)により作成された勧告に従った 性能を有し,維持していることを確かめる ための適切な措置が採られることを要求されています。これにより,搭載義務が生じる機器については,主官庁による型式承認等が行われることになります。また,設置された後もその性能が維持されていることを確かめるため,船舶の検査時にその旨を確認することになるでしょう。なお,機器に対する適当な勧告や基準が無い場合には,少なくとも電磁両立性(一般の陸上のものよりも厳しい)は検査されます。
●機器メーカーの義務 改正SOLASに直接「機器メーカーに対する要求」があるわけではありませんが,上記主管庁に課せられた要求事項から逆に考えますと,機器メーカーは「各国主官庁による型式承認を得たものでなければ事実上販売できない」ということになります。このことは,新たに型式承認を要求された機器に対しては,型式承認を取得するという手順が増えるため,それが販売価格に跳ね返ってくることが予想されます。
●機器設置者に課せられた要求事項 船橋及びその周辺で使用される電気電子機器について, 電磁的干渉が航海設備の正常な機能に影響を与えないように設置 されることが要求されます。たとえ,その機器が型式承認を取得したものであったとしても,正しくない装備が航海の安全に影響することを懸念しているからに他なりません。機器を設置する場合には,その機器が要求する設置要件のみでなく,電源や信号ラインの配線方法や他の機器からの妨害についても注意する必要があります。
●使用者に課せられた要求事項 船橋及びその周辺で使用するポータブル型の電気電子機器については, 航海設備に影響しないように使用 しなければなりません。特に,電波を出したり電気的雑音を発するような機器は要注意です。数値的に示される規定はありませんが,それ故に細かい配慮が必要となりそうです。
◆注意:型式承認は全世界共通か? 型式承認は各国主官庁に任されたことですから, 基本的には各国毎に取得 する必要があります。欧州内では舵輪マークとして統一される見込みですが,他の地域で相互承認が行われるかどうかは現状ではわかりません。米国は欧州との相互承認を考えている様子ですし,日本政府も各国毎に型式承認を個別に取得する点の不合理さは良く理解している模様です。なお,相互承認と言っても「A国で取得していればそのままB国でもOK」という場合と「A国で取得していればその試験結果を確認するだけでB国の承認を与える」という場合とがあるので,注意が必要となります。後者の場合,確認できない項目があれば,その項目に対しては再試験が行われる可能性もあります。
◆注意:船橋で使用するノート型パソコンも承認が必要か? 最終的には各国主管庁判断 によりますが,少なくとも利用者側で事前にそのPCを船橋で動作させたとき,それぞれの航海設備に影響がない旨を確かめておき,チェックリストを残す位の配慮は必要ではないかと思います。 ポータブル機器については,メーカーではなく利用者に要求が課せられている 点に注意してください。ノート型でなく,定常的に設置されたパソコンについては,改正SOLAS要求を厳密に考えれば型式承認が必要ですが,これに関しては各国主官庁の判断を待ちましょう。
●日本での型式承認等 原則としてメーカーが国土交通省に型式承認を申請し,検査合格の後型式承認を得るわけですが,初回は国土交通省と日本舶用品検定協会(HK)と共同で行われ,検査手順が確立された段階でHKが主体となって検査を行うことになると思います。その後出荷される個別の同型機器は,型式承認を得た機器と同一設計で差異無く生産されたものであるという簡単な検査のみとなるでしょう。船舶に設置された後の検査は,日本海事協会(NK)により行われることと思います。
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